老齢年金
労働の第一線を退いた人々に支給される年金くらいのイメージ。ドイツでは1884年に制度が導入されたという。始めたのはビスマルクだ。鉄血宰相のイメージが強烈で、軍事外交の達人という印象だが、実はこの手の内政にも長けていた。欧州列強に先駆けての導入だったらしい。
4月15日の記事「労働者の年収」の中で、1887年のライプチヒの下級労働者・家族5人の年収を1000マルクと推定した。この裏付けを取るために調べていて、老齢年金の記述を発見した。
支給額がお話にならなかったらしい。1911年の段階で一人年間166マルクだという。これが実際に年間の生活費の3分の1程度だったと書かれている。つまり一人500マルクが年間必要経費だと導き出せる。記事「労働者の年収」では、子供3人を含む家族5人の年収が1000マルクだった。子供3人込みとはいえ一人年間200マルクだ。そこから24年後に一人500マルクというのは、理不尽だとは思うが、辻褄は合っている。
やはりブラームス在世当時の下級労働者の年収は1000マルクと考えて良さそうだ。そして彼の交響曲1曲はその15倍だ。
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