Luft
大好きな言葉の一つだ。「風」「空気」「大気」「息」「空」「気配」「雰囲気」などの意味がある。英語の「Air」に近いような感じ。著名な航空会社の名前にもなっている。
作品57-8に「Unbewegte,laue Luft」という歌曲がある。このタイトル、日本語への転写が難しい。「Unwebegte」は、「動きのない」という意味で、「laue」は生暖かいだ。何故かこれで「風もそよがぬ和やかな大気」という邦訳が出回っている。
ダウマーによる4連のテキスト。1連目だけが情景の描写で2連目以降が作者の心情だ。何と言っても1連目の情景描写が素晴らしい。風も無く蒸し暑い夏の夜だ。ピッタリの日本語がある。「凪」だ。凪によって空気が停滞している様子が音楽によって全く過不足無く描かれている。テキストが庭の噴水にさしかかるところで8分音符が目を覚まし、可憐なトリルがテキストとシンクロする。
一連の描写のまさに中央にいるのが、本日のお題「Luft」だ。
さすがにブラームスだ。空気が読めている。
<田中文人様
いらっしゃいませ。一年以上前の記事を掘り当てていただきありがとうございます。
今後とも「ブラームスの辞書」をよろしくお願いいたします。
投稿: アルトのパパ | 2010年7月 7日 (水) 07時57分
はじめまして。田中文人と申します。私はこの曲が大好きです!
投稿: 田中文人 | 2010年7月 6日 (火) 22時17分