色をつける相手
昨日の記事「色彩索引」でブラームス歌曲に現われる色名のリスト化を試みた。実はささやかな工夫があった。色名の羅列列挙は既にずっと前に完成していたが、記事にするにあたって今ひとつ物足りなかった。
何が足りないか自問する中から浮かんだのが、色をつける相手だ。「白」といった場合それが「雲」なのか「雪」なのか「鳥」なのかでイメージが全然違う。動植物の場合は、名前の列挙だけで楽しめたが、色の場合は「白が多い」「黄色が少ない」だけでは面白くない。そこで、もう一度テキストをあたって、色名が何を修飾しているのかを調べなおした。
昨日の記事にはそれが反映している。
その結果、各々の色が、それぞれどんなものを修飾しているのかについて以下のような傾向を割り出すことが出来た。
<赤>恋人の唇か、バラが2本柱だ。
<青>空、水面、瞳、花などバラエティに富む。特定の語への集中がない。
<緑>草木、森、大地、野など。植物の群生の結果としての緑が圧倒的多数を占める。
<白>胸、顔、首、腕など露出する女性の肌が多い。女性とはもちろん男の側から見た恋人である。他に鳥と雲が少々だ。
<金>主に太陽光線とその反射だが、割と多岐にわたる。
上記5色以外は数が多くないから傾向を割り出すのが難しい。黄色が少ないのが意外だった。
とても面白かった。
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