谷の百合
「谷の百合」とはつまりスズランのことだ。高等学校の校歌の歌詞に出てきたおかげで知っている。
ブラームスの交響曲を年代順に列挙する。
- 第1番ハ短調op68 1876年
- 第2番ニ長調op73 1877年
- 第3番ヘ長調op90 1883年
- 第4番ホ短調op98 1885年
完成年を見ると2曲一組と見ることも可能だ。
不思議なことがある。1番と2番の間に69、70、71、72という4つの作品番号が存在するが、全て独唱歌曲だ。同様に3番と4番の間には7つの作品番号が存在しているが、全て声楽曲(独唱歌曲、合唱、重唱)になっている。ペアになっている2つの交響曲の間に器楽作品が発表されていないということに他ならない。ペアとなる交響曲同士お互いを補完しあっていると指摘されていることを裏付けているような気がする。交響曲の構想を練っている間、片方に盛り込みきれなかったアイデアをもう片方に反映させているという説は魅力的である。その間声楽曲を作る以外は交響曲に没頭しているブラームスの姿勢の裏返しと思われる。
2つの交響曲に挟まれた声楽作品は、谷間のユリを思わせる可憐な作品が多い。
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