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2009年6月 4日 (木)

平行8度の実例

このところ歌曲特集をしているせいで、歌曲ネタに対する脳内アンテナが高まっている。

ガイリンガーの大著「ブラームス伝」を読んでいてお宝情報に巡り会った。

ガイリンガーは歌曲に関する概論の中で「スペインの歌」op6-1に「平行8度」があると証言している。20、22、42、44という具合に小節まで特定しているばかりか歌のパートとバスがともに「E→Cis」と進行しているとも断言している。

ない。

我が家のドーヴァー版の楽譜には見当たらない。その小節歌のパートは「E→Cis」と進行していない。「E→Gis」になっている。ピアノ左手は16分音符で動くが、拍頭だけに絞ってみれば「E→Cis」と読める。

ガイリンガーが見ているのはどんな楽譜なのだろう。もしかすると手稿譜には平行8度が存在したが、印刷の段階で修正されたのかもしれないと思い初版譜を確認してみた。

おおお。ってなもんだ。

初版では確かに歌のパートが「E→Cis」と動いているではないか!バスが16分音符で細かく動くのはドーヴァー版と一緒だ。拍頭だけを注目すれば「E→Cis」だ。やっぱりこれはアウトなのだろうか。

しかししかし、旋律としての収まりは「E→Cis」の方が数段上と感じる。

やれやれと思って我が家所蔵のCDでこの曲を聴いて驚いた。3人が歌っているだけという希少なものだが何と何と3人とも「E→Cis」を歌っていたのだ。

平行8度の禁則違反より旋律としての収まりが優先と見たが、伴奏のピアニストがいくぶん音量を手加減しているようにも聞こえる。

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