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2009年6月 8日 (月)

最愛の歌曲

私にとっては「Feldeinsamkeit」op86-2のことだ。その証拠にブログ「ブラームスの辞書」での言及回数は歌曲中最大頻度を誇る。

  1. 2007年2月22日  「Feldeinsamkeit
  2. 2007年4月12日  「究極の6度
  3. 2009年5月29日 「四色問題
  4. 2009年5月31日 「Tiefe blau
  5. 2009年6月 3日 「こおろぎ
  6. 2009年6月 5日 「ダイナミクスの空白
  7. 2009年6月 6日 「保続音

これら7本に本日の1本を加えた8本全て「野のさびしさ」への信仰告白みたいなものだ。CDを聴いて楽譜を読んでを何度繰り返しても新しい発見がある。テキストと音楽の融合として理想的だと思う。

さらに本日は我が家にあるCDを録音年代順にリスト化する。

演奏時間はいつものように演奏後の空白の時間を補正した値を使用した。4分の4拍子35小節なので140個の四分音符の羅列と見て、演奏時間からMM値を逆算した。名前の後ろに「声種」「演奏時間」「平均MM値」を順に記す。

  1. 1924年 John McCormack <Br> 3:04 MM=45.65
  2. 1929年 Alexander Kipnis <Br> 3:46 MM=37.17
  3. 1951年 Hans Hotter <Br> 4:02 MM=34.71
  4. 1959年 Christa Ludwig <MS> 3:21 MM=37.84
  5. 1982年 Margaret Price <Sp> 3:54 MM=41.79
  6. 1984年 Dietrich Fischer-Dieskau <Br> 3:54 MM=35.90
  7. 1984年 Irwin Gage <pf> 3:41 MM=38.01
  8. 1987年 Yumiko Samejima <Sp> 3:38 MM=38.53
  9. 1987年 Mitsuko Shirai <MS> 4:42 MM=29.79
  10. 1990年 Robert Holl <Br> 3:44 MM=37.50
  11. 1994年 Francois Pollet <Sp> 3:33 MM=39.44
  12. 1997年 Lan Rao <Sp> 2:34 MM=54.55
  13. 1997年 Monica Groop <MS> 3:26 MM=40.78
  14. 1998年 Mischa Maisky <Vc> 3:38 MM=38.53
  15. 1999年 Deborah Polaski <Sp> 2:49 MM=49.70
  16. 1999年 Vesselina Kasarova <MS> 3:26 MM=40.78
  17. 1999年 Cornelia Kallisch <MS> 3:18 MM=42.42
  18. 2001年 Hidenori Komatsu <Br> 3:23 MM=41.38
  19. 2004年 Andreas Schmidt <Br> 3:47 MM=37.00
  20. 2004年 Marie Nicole Lemiux <CA> 3:07 MM=44.92
  21. 2005年 Sarah Connolly <Sp> 3:00 MM=46.67
  22. 2006年 Bernarda Fink <MS> 2:51 MM=49.12
  23. 2006年 Keiko Shiraishi <Sp> 2:41 MM=52.17
  24. 2007年 Ettora Causa<Va> 3:08 MM=44.69
  25. 不明    Sadanori Masui <Br> 3:02 MM=46.15

総勢25種は「永遠の愛」op43-1「セレナーデ」op106-1に次ぐ数。毎度のことながらテンポだけでも実に多彩だ。

<ソプラノ>

ラン・ラオがお気に入り。白井光子の対極にある。きびきびと弾むような独特の声、Lamgsamらしからぬ速いテンポだが、手抜かりなく歌いきっているから速さを感じない。

鮫島有美子がそれに次ぐ。ポラスキーはこの曲を歌う限りソプラノに入れてはなるまい。ドラマチックソプラノという肩書きは邪魔。最良のコントラルト顔負けだ。

<メゾソプラノ>

白井光子が頭一つ抜けている他は横一線で、はずれは無い。それにしても白井光子だ。群を抜いて遅いテンポが、ビロードのレガートと両立して、鬼気迫る緊張感を醸す。ダイナミクス幅最小にして表現の起伏最大。深く深く味わいたいとき避けて通れぬ演奏だ。晴れ上がった日の緑の野という情景を忘れ、ほのかなロウソクの灯りの元で歌われていると錯覚してしまう。

カサローヴァは作品のストーリーを読みきって「Tiefe blau」からの4小節間のすすり泣きが際立つ。「それもありか」という気にさせられる。

オッターが録音していないのは残念。

<コントラルト>

ルミューただ一人だが、貴重。温かみある声質に聞き惚れる。シュトゥッツマンで聴いてみたいものだ。

<バリトン>

最初の2人のノイズはご愛嬌だ。歌手のせいではない。なんとか我慢の範囲内がホッターからである。

御大ディースカウ。見せ場が全部棚下ろし出来ている。流れの起伏を3倍に増幅して聞かせてくれる。

<番外>

ピアノ伴奏のみを録音したゲージに拍手。マイナスワン感は否めないが、一緒に歌うには最適。楽譜を見ながら歌の入らぬ演奏だけを繰り返し聴いているといろいろなことがわかる。11小節目と29小節目にある右手と左手のカノンには言葉を失う。

チェロのマイスキーは、テキストへの共感がにじみ出る。ディースカウにも似た「ニュアンスの増幅」が起きているが、こちらはもっと自然だ。テキスト抜きで声部としての歌のパートを心行くまで楽しめる。

カウサのヴィオラ版にも感謝だ。オリジナルの記譜よりオクターブ低い音で歌い出す。ト音記号を見て歌う男性の感じだ。つまり冒頭のCで開放弦が鳴るということだ。1コーラス目はC線開放弦より低い音は出ないから、十分に機能する。2コーラス目に入ると28小節目に「H音」が出る。作品冒頭のC音の半音下だ。どうなることかと思って固唾を呑んでいると、2コーラス目は、悠然とオクターブ上げて始まるのだ。つまり記譜通りだ。28小節目の「H音」は、音楽の凍りつく瞬間のとても大切な音だ。このオクターブをめぐる工夫には実に説得力がある。

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