ブラームス神社

  • 道中安全祈願

おみくじ

  • テンプレート改訂しました

独逸日記

  • ドイツ鉄道博物館のおみやげ
    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

ビアライゼ

  • Schlenkerla
    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

カテゴリー

« 夏の宵 | トップページ | 平行8度の実例 »

2009年6月 3日 (水)

こおろぎ

蟋蟀と書く。歳時記によれば秋の季語だ。旧暦で8月からが一応秋ということになっている。最も一般に観察される秋の虫という位置づけだ。鳴き声を頻繁に聴くという訳だ。

5月12日の記事「動物索引」を思い出すといい。そこには「Grille」があった。つまりlこおろぎだ。ブラームス歌曲の中で2箇所に現われる。

  • 夏の宵op85-1
  • 野のさびしさop86-2

タイトルを見て判るとおりop85-1で歌われる季節は夏だ。「野のさびしさ」には直接季節を示す言葉は無いが、「背の高い緑の草」が出てくるから一応夏が有力かと思われる。どちらのテキストにも共通しているのは、作者はこおろぎの姿そのものを見てはいない。鳴き声を聞いているのだ。こおろぎの出す音こそが描写の主眼になっている。

さらに私好みの偶然がある。

5月29日の記事「四色問題」を思い出して欲しい。そこでは、ブラームス歌曲において1つの作品に現われる色の数を取り上げた。最大4色を用いた作品が2つあると書いた。それが本日話題の2作品になっている。

象徴的な色4つを配して読者の色彩感覚を刺激する一方、こおろぎを配置することで音のイメージまで喚起しようとしているように思える。

おそらくブラームスはこおろぎの鳴き声がイメージ出来ている。後者「野のさびしさ」1連目、楽譜にして11小節目に現われる「Grillen」は、この周辺では最も高い音Desを当てられた上に、弾むリズムと相俟って、コオロギの鳴き声の巧妙な描写になっている。

例によって毎度毎度の疑問。ブラームスの作品では、どうやら夏の描写らしいが、季語としては秋だ。現代の生活実感と季語はしばしばズレているから、気にしないという手があるのだが、ブラームス作品に現れる「Grille」が、そのまま歳時記の「蟋蟀」にあたるかについては、ひとまず保留しておくことにする。

« 夏の宵 | トップページ | 平行8度の実例 »

コメント

<魔女見習い様

ホンの思いつきのおバカ記事に、毎度お付き合いいただきありがとうございます。

その上「スッキリ」のお役に立てたとすれば嬉しい限りです。

先日から「こおろぎ」が、ものすごーく気になっていました。
本日の記事で、かなりスッキリ!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: こおろぎ:

« 夏の宵 | トップページ | 平行8度の実例 »

フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ