ブラームス蝕
3つ以上の複数の天体の特殊な位置関係によって生じる現象のうち、ある天体が別の天体の影に入ることを「蝕」と言う。地球から見てが基準になることが多い。「食」の字をあてる場合もある。身近な例が「日食」「月食」だ。昔は人工衛星の蝕が原因で、衛星放送が休止したこともあったと思う。
さて今年はメンデルスゾーン生誕200年にあたる。来年はシューマンとショパンの生誕200年だし、再来年はリストだ。つまり今後ロマン派の巨匠たちの生誕200年が相次いでやってくる。我が愛するブラームスは生誕176年を迎えたが、やはり区切りのいい数字でないと世間様の注目度は上がらない。私個人は毎日毎年メモリアルみたいなものだから、あまり気にしていないが、やはり記事のネタ補給に少なからぬ影響がある。
1833年という生年、1897年という没年をよく見て欲しい。98年から32年までの35年間はブラームスの伝記上の出来事が存在しないのだ。少なくとも「ン百年」というメモリアルイヤーは存在し得ない。つまりこの35年間が本日のお題「ブラームス蝕」である。もちろん私の造語だ。目下のところブラームス蝕のまっただ中ということになる。最初のブラームス蝕は1898年から1932年までの35年間だが、この35年間には、没後1周年にはじまって10周年もあれば13回忌も17回忌もあるから、実はあまり退屈ではない。つまり今が事実上初めての蝕だ。
1770年生まれで1827年没のベートーヴェンは、逆に今が旬だ。昨年は運命交響曲の初演200年だった。けれどもやがて2028年を超えると2069年まで蝕に入る。
「ブラームスの辞書」は書籍もブログも2005年生まれだ。つまり今回のブラームス蝕の真っ最中に生まれたのだ。特にブログはメモリアルイヤーというネタを取り上げにくいというハンデがある中、2033年までの継続を目標にしていることになる。もし実現すれば35年続く蝕の後ろ28年間、毎日ブラームスネタを発信することになる。そのためにはこの手のおバカな記事も貴重だ。今日公開しないと次のチャンスは相当先になるらしい。
ブラームス蝕の中にあってあたりをほんのり照らす一筋の灯りになりたい。
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