聖金曜日
キリストの受難と死を記念する日。復活祭前の金曜日のことだ。キリスト教にとっては宗派を問わず重要な日である。バッハのマタイ受難曲がしばしば演奏される。
1868年4月10日はブレーメンにおけるドイツレクイエム初演の日として記憶されるが、この日は聖金曜日だという。
さて聖金曜日と言えば、ワーグナーにもある。最後のオペラ「パルジファル」だ。舞台神聖祝典劇と位置付けられるこの作品は「聖金曜日の奇跡」がある意味で主役になっている。
ブラームスは「パルジファル」を聖金曜日以外に上演すべきではないと主張していた。音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第2巻53ページにホイベルガーが証言している。「ワーグナーがそれ用に設定している」というのが根拠だ。特別の日に上演してこそ意味があると考えていたようだ。
しかし、肝心な「パルジファル」の初演は1882年7月26日だから、聖金曜日に固執していた訳でも無さそうだ。
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