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2009年9月22日 (火)

15分の1

2007年11月6日の記事「作曲の報酬」で、ブラームスの交響曲の報酬が15000マルク、現在のお金に換算して750万円だと述べた。これは当時の通貨で言うなら5000ターラーだそうだ。これが高いのか安いのかという議論の手掛かりを最近発見した。

ドヴォルザークは、ブラームスにその才能を見出されベルリンの著名な出版社ジムロックと付き合いが始まった。ブラームスとは緊密な信頼関係で結ばれていたジムロックだが、ドヴォルザークとは微妙だったらしい。

1889年第8交響曲ト長調の出版に際してジムロックの提示した金額は何と1000マルクだったというのだ。現在のお金に換算して50万円だ。つまりブラームスの第1交響曲の「15分の1」である。私はドヴォルザークの8番だって大好きなので、「15分の1」には少し複雑だ。ドヴォルザークとジムロックの交渉は決裂し、第8交響曲は英国の出版社から刊行された。だから「イギリス」と一部で呼ばれることになったのだ。

一方ジムロックの立場を考えてみる。このときまでにブラームスの交響曲は4つ全てが出版されその報酬は金額不明の4番を除き、みな15000マルクだ。ドヴォルザークの交響曲は今世紀になって出版された1~4番を別にすれば5番から7番までの3曲がジムロックの手によって出版されていた。ジムロックが「ドボ8」に提示した金額は、ブラームスの4曲とドヴォルザークの5,6,7番をキッチリと比較した上でのはったり込みの結論だと推測出来る。売れ行きの実績や話題性、あるいは交渉により値段が釣り上げられる可能性を考慮して算盤を弾いていたと思われる。

ドヴォルザークは、ジムロックがブラームスの交響曲に支払った金額を知っていたのだろうか。

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コメント

<mayoneko様

ありがとうございます。
ですよねぇ。あんまりでしょう。疑問が深ければ深いほど、記事のネタが湧いてきます。

お久しぶりです。mayonekoです。
遅ればせながら・・・
祝ドヴォルザークイヤー開幕。記事を楽しみにしています♪
今私もチェコ系の作曲家の作品を聞いていて、関連本を読んだりしています。
しかし1/15とは・・・。

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