作品の価格表
ドヴォルザークとジムロックの確執を調べているうちにブラームス作品に対して出版社から支払われた報酬額を整理しておきたくなった。マッコークルの作品目録他で調べた。現在のお金に換算可能な単位が用いられていないケースは省略してある。つまり1871年以降は、統一ドイツの成立により登場したマルクで報酬額が記録されるようになる。それ以前は金貨だったりして換算が難しい。以下出版年の古い順に列挙する。
<1860年代>
- ドイツレクイエム 1868年 リーター・ビーダーマン社 864,000円
- カンタータ「リナルド」 1868年 ジムロック社 750,000円
<1870年代>
- 弦楽四重奏曲第1番と2番 1873年 ジムロック社 約2,000,000円
- 「ハイドンの主題による変奏曲」op56ab 1873年 ジムロック社 1,500,000円
- ピアノ四重奏曲第3番 1875年 ジムロック社 1,500,000円
- 「4つの二重唱op61」「7つの歌op62」にハンガリア舞曲の管弦楽版3曲合計 1874年 ジムロック社 3,000,000円
- 「9つの歌曲op63」と「3つの四重唱op64」をあわせて 1874年 ペータース社 2,250,000円
- 「新・愛の歌」 1875年 ジムロック社 1,500,000円
- 「5つの二重唱op66」 1875年 ジムロック社 750,000円
- 弦楽四重奏曲第3番 1876年 ジムロック社 1,500,000円
- 交響曲第1番 1876年 ジムロック社 7,500,000円
- 作品69から72までの歌曲 1877年 ジムロック社 225,000円(1曲あたり)
- 交響曲第2番 1878年 ジムロック社 7,500,000円
- 2つのモテットop74 1878年 ジムロック社 750,000円
- バラードとロマンスop75 1878年 ジムロック社 900,000円
- 8つのピアノ小品op76 1878年 ジムロック社 3,750,000円
- ヴァイオリン協奏曲op77 1878年 ジムロック社 4,500,000円
- ヴァイオリンソナタ第1番 1879年 ジムロック社 1,500,000円
- 2つのラプソディop79 1879年 ジムロック社 750,000円
<1880年代>
- 大学祝典序曲 1880年 ジムロック社 2,250,000円
- 悲劇的序曲 1880年 ジムロック社 2,250,000円
- ハンガリア舞曲第11番~21番(3巻と4巻) 1880年 ジムロック社 3,000,000円
- ネーニエ 1881年 ジムロック社 1,500,000円
- ピアノ協奏曲第2番 1881年 ペータース社 4,500,000円
- op84から86の歌曲 1882年 ジムロック社 225,000円(1曲あたり)
- ピアノ三重奏曲第2番 1882年 ジムロック社 1,500,000円
- 弦楽五重奏曲第1番 1882年 ジムロック社 1,500,000円
- 運命の女神の歌 1882年 ズーリック社 1,500,000円
- 交響曲第3番 1878年 ジムロック社 7,500,000円
- op91から95までの歌曲 1884年 ジムロック社 225,000円(1曲あたり)
- チェロソナタ第2番 1886年 ジムロック社 1,500,000円
- ヴァイオリンソナタ第2番 1886年 ジムロック社 1,500,000円
- ジプシーの歌op103 1888年 ジムロック社 1,500,000円
- ヴァイオリンソナタ第3番 1889年 ジムロック社 1,500,000円
- 3つのモテットop110 1889年 ジムロック社 1,125,000円
- ピアノ三重奏曲第1番改訂版 1890年 ジムロック社 750,000円
<1890年代>
- 弦楽五重奏曲第2番 1890年 ジムロック社 1,500,000円
- 「6つの四重唱op112」と「13のカノンop113」 1895年 ペータース社 3,000,000円
- 7つのピアノ小品op116 1892年 ジムロック社 3,000,000円
- 3つのインテルメッツォ op117 1892年 ジムロック社 1,500,000円
- 「6つのピアノ小品op118」と「4つのピアノ小品op119」 1893年 ジムロック社 4,000,000円
- クラリネットソナタ第1番と2番 1894年 1892年 ジムロック社 3,000,000円
- 49のドイツ民謡集 1894年 ジムロック社 7,500,000円
第4交響曲およびヴァイオリンとチェロのための協奏曲は不明とされているから一覧には現れない。クラリネット五重奏と三重奏も不明だ。
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