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2009年11月29日 (日)

のだめの中のドヴォルザーク

のだめ系の記事は、既に55本の記事を擁するメインネタだ。一方現在我がブログ「ブラームスの辞書」では1年をかけてドヴォルザークに密着する試みを継続中だ。話題が「のだめの中のドヴォルザーク」に展開するのは半ば必然である。

  1. 初登場は4巻109ページだ。長野の夏を彩るニナルッツ音楽祭。優秀な学生によるオケをシュトレーゼマンが指導する。まさにその曲がドヴォルザークだ。千秋本人も「マニアックな」と唸り、峰くんに至っては「聴いたことない」とのたまうドヴォルザークの交響曲第5番である。二日酔いでフラフラのシュトレーゼマンが「この曲はドヴォルザークの田園」と紹介するだけあって、本家ベートーヴェンの田園と同じヘ長調である。千秋は師匠の代役として練習を振り実力の片鱗を見せる。
  2. 次は第7巻21ページ左下4コマ目。新しいオケの結成式をかねて慕零路でパーティー。その席上で演奏曲目の選定がカオスに陥る。どさくさに紛れて女性が「わたしドヴォルザークやりたい」「新世界」と口走って、周囲に「また~」とドン引きされている。
  3. 3つ目は千秋クンがプラティニ国際指揮者コンクールに向けて猛勉強する過程で現われる。第10巻74ページの4コマ目だ。ドヴォルザーク交響曲第9番の総譜を持った千秋が描かれている。次のページに総譜の一部が見えているのが第1楽章の137小節目だ。
  4. 4つ目はエポックだ。同じ10巻の147ページ目。指揮者コンクールの課題B「間違い探し」。15分だけスコアを見て、実際にオケを振る。オケが意図的に間違えた楽譜を見て演奏する中、8箇所の間違いを当てよという課題だ。ジャン・ドナデュウと千秋だけがパーフェクトに的中させるという死闘を象徴するツールになったのが、ドヴォルザークの交響曲第8番第一楽章である。相変わらず芸が細かいのは、149ページ5コマ目だ。千秋のバックに楽譜が描かれている。見えている一番左端は第1楽章の103小節目だ。記音Dのオクターブで全音符になっているのがA管のクラリネットだ。次の104小節目の頭に注目して欲しい。104小節目冒頭が前の小節からタイで繋がった四分音符になっている。正しくはここが付点2分音符のハズだ。千秋クンがそのコマで「付点2分音符のロ音が四分音符に」と見破っている通りだ。つまりここの背景の楽譜は、わざと間違えた楽譜になっているのだ。この課題の演奏は実際にCDになっている。千秋真一指揮R☆Sオケのブラームス交響曲第1番のCDの余白に入っている。実のところ私の耳では間違いなんてわかりはしない。
  5. 5つ目はプラティニ国際指揮者コンクール本選、コンチェルト演奏の課題曲をクジ引きで決める場面。第11巻21ページ。千秋はのだめに引かせてチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲に決まる。その直後に片平は自らドヴォルザークのチェロ協奏曲を引き当てる。

本日の企画も「のだめ」が完結していればこそ意味がある。

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