ボーナストラック
CDやDVDの最後に収録されるおまけの意味か。演奏会におけるアンコールのニュアンスに近いかもしれないが、業界での定義が決まっているなら聞いてみたい。
唖然とするおまけに出会った。昨日の記事「ブリリアントなCD」で話題にしたCDの話だ。プラハシンガーズの演奏3枚組セットの3枚目のラストにご機嫌なおまけが入っていた。モラヴィア二重唱が終わった後、あまりの楽しさにボーッとしていたら、どこかで聴いたメロディがスックと立ち上がった。
何と言うことだ。新世界交響曲の第2楽章ラルゴの冒頭がアカペラの合唱で収められている。35小節目までは、オリジナルの流れが踏襲されている。36小節目に入らずに手際よく101小節目に飛んでいる。英語の説明を必死に読んだところによると、詠み人知らずのチェコ語の歌詞で「我がふるさと」でもいうのだと思う。3枚組のCDを通じてご機嫌な演奏を披露してくれた人たちが、アンコールにこたえてくれているかのようだ。混声四部合唱にソプラノ独唱とテノール独唱の「遠き山に日は落ちて」だと思えばいい。オリジナルの交響曲では最後にコントラバスの有名な和音で終わるが、それも合唱で再現されている。
アレンジしたのはもちろんドヴォルザークではない。Wouter Tuckerという人だ。あまり聞かない名前だと思っていたら、セカンド・バスのメンバー表に名前があった。詠み人知らずの歌詞をつけて歌われていた「ラルゴ」を混声四部合唱と2人の独唱のために編曲したのだろう。
息を呑むとはこのことだ。美しい。ふるさとを思う歌詞なのだが、チェコ語だから全くわからない。けれども人の声の美しさにただ酔うだけなら、かえって好都合だ。もっと敬虔な場面、たとえば教会で歌われたら、神様を信じてしまいかねない。
これで3枚組1780円とはつくづくお得だ。
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