新世界交響曲初演
本日の記事は1年続くドヴォルザーク特集のエポックの一つになる。
1893年12月16日、今から116年前の今日、ニューヨーク・カーネギーホールで、ドヴォルザークの交響曲第9番ホ短調「新世界より」が初演された。アントン・ザイドル指揮ニューヨークフィルハーモニックによる演奏が、カーネギーホール始まって以来の熱狂を巻き起こしたことは、ほとんどの伝記に書いてある。
大抵の記述は初演の成功にのみ熱狂的に言及するだけだが、演奏会である以上サブプログラムがあった。
- メンデルスゾーン 「真夏の夜の夢」序曲
- ブラームス ヴァイオリン協奏曲 独奏Vn:アンリ・マルトー
- ドヴォルザーク 交響曲第9番ホ短調「新世界より」
新世界交響曲の世界初演に先立って演奏されたのは、ブラームスのヴァイオリン協奏曲だったのだ。独奏者マルトー(1874-1934)のことは2006年6月23日の記事「カデンツァ・コレクション」でも言及した。つまりこの人ブラームスのヴァイオリン協奏曲用にカデンツァを作曲しているのだ。新世界交響曲初演の当日に演奏されたブラームスのヴァイオリン協奏曲で自作カデンツァを弾いていた可能性があるということだ。1907年に没したヨアヒムの後任としてベルリン高等音楽院でヴァイオリンを教えたらしい。
単に新世界交響曲初演の話だけなら私がドヴォルザーク特集のエポックとまで思い詰めることは無い。
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