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2009年12月18日 (金)

ドヴォルザークの工夫

ドヴォルザークを世に出したヒット作「スラブ舞曲」が出版社ジムロックの勧めであったことは有名だ。ブラームスのハンガリア舞曲ヒットの再現を狙ったものだ。

ハンガリア舞曲の管弦楽編曲において、作曲者本人の手になるものは1番3番10番しか存在しないのに対し、スラブ舞曲には全16曲が本人編曲で揃っている。さらにハンガリア舞曲自体がブラームスの編曲であるのに対して、スラブ舞曲はドヴォルザークの創作だ。既存の旋律の借用ではないから、著作権侵害といって訴えられる心配もない。ハンガリア舞曲の経験をジムロックが入れ知恵した可能性さえ想像してしまう。

スラブ舞曲はそのモデルになった舞曲を広く東欧に求めている。フリアント、ソウセツカー、スコチナー、ドゥムカなどなどだ。これがワルツやスケルツォに慣れ親しんだ人々には新鮮に映ったことだろう。ところがところが、この選択には工夫があると感じる。ハンガリーの舞曲が全く採用されていないのだ。

全21曲が判で押したように4分の2拍子になっているハンガリア舞曲に対して、スラブ舞曲はもっと多彩だ。4分の3拍子、4分の2拍子、8分の3拍子、8分の4拍子などが混在する。

「ハンガリア舞曲」に次ぐ2匹目のドジョウを狙うということは、ヒット作「ハンガリア舞曲」の楽譜を既に所有している人に買ってもらうことに他ならない。つまり「スラブ舞曲」を買った人に「なんだハンガリア舞曲と同じじゃねーか」と思わせないことを意識したと感じる。

おそらくジムロックのマーケティングの賜だろうが、それにキッチリと答えきってしまうドヴォルザークも大したものだ。

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