ホルンソナタ
クラシック音楽業界の慣例に従えば、「ホルンとピアノのためのソナタ」ということになる。
次女がベートーヴェンのホルンソナタヘ長調op17の楽譜が欲しいと言い出した。理由を訊いて唖然とした。昨年のクリスマスにプレゼントしたCDが発端だった。ブラームスのホルン三重奏曲のCDを贈った。そこはさすがに一ひねりしてあって、ホルンのパートをトロンボーンで吹いている演奏だ。私の狙いはもちろんブラームスだったのだが、そこに収録されていたベートーヴェンのホルンソナタが気に入ったらしい。
ブラームスより面白そうなどとしょっぱいことを言っている。CDで聴く限り音も高いし、細かい動きも多くてトロンボーンではしんどそうだ。次女は「せっかくトロンボーンをやっているのだから、何か1曲くらいキチンと吹ける曲を持っていたい」という。「練習の合間や、春休みなどにコツコツと練習したい」(キッパリ)と続けた。
ホルンはト音記号だし、「inF」で書かれているから難しくないかと問う。「いんえふって何」という間延びした質問が返ってきた。
昨日楽譜ショップに出向くと吉報が待っていた。やはり現場に行ってみるものだ。ベートーヴェンのホルンソナタは元々ホルンの代わりにチェロで代用可となっていた。店頭の楽譜にはチェロのパート譜がついていた。「おおぉ」ってなもんだ。少なくともチェロならヘ音記号だ。これをB管のトロンボーンで吹いたらどうなるのかと思ったが、ピアノと合奏しない限り問題はあるまいということで、さっそく買い求めた。
帰宅して手渡すと、最近ちょっと見かけないくらいの笑顔が返ってきた。CD聴きながらずっと眺めている。ヘンレ版2190円だがスマイルがお釣りで戻ってきて何だかとてもお手ごろ価格ある。
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コメント
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<R@veN様
おお。これまた貴重な情報です。
怖い物知らずの娘に言って聞かせねばなりません。
投稿: アルトのパパ | 2010年1月18日 (月) 06時26分
ホルンの独奏曲は、しばしば他の金管楽器でもベーシックなピースとして取り上げられることが多いです。
楽譜はそのまま移調すれば問題ありませんが、
奏者のレベルによってはつらいかもしれません。
その場合は楽器の音域で演奏可能な音域に移調することをお勧めします。
たとえば音が高いのであればEsやBに移調すれば問題なく演奏できる場合も多いです。
ただ、ホルンの楽曲は練習曲として多様される一方で、バルブ楽器特有の指回しや、特にレガート、スラーの演奏法においてトロンボーンのスライドでは演奏困難な場合が多々あります。
その場合はアーティキレーションにとどまらず、楽譜そのものを書き換えることもあります。
たとえば、近代の曲ではテューバとバストロンボーンで
どちらでも演奏可能というソナタやコンチェルトを見かけます。
その場合、スライド楽器とバルブ楽器の特性の違いからパート譜が少々異なるといった次第です。
いずれにせよ、そのままの楽譜で吹くのは難しいので、一度楽譜を調整せねばなりません。
いきなり難しい曲に挑戦せずとも、マルチェロのチェロソナタといったバロック等の独奏の基礎から始めるのもよいかもしれません。
また、メロディックな練習の基礎としてはRobert Kingのエチュード集等を利用するのも良いと思います。
練習曲ですが伴奏譜付きのアレンジの楽譜は日本の出版社からでていたような気がします。
投稿: R@veN | 2010年1月18日 (月) 06時18分
<てぃんぱにゃー様
貴重な情報をありがとうございます。
今度ブラバンの顧問の先生に確認して来ようと思います。
今年もよろしくお願いいたします。
投稿: アルトのパパ | 2010年1月15日 (金) 19時14分
お久しぶりです。遅馳せですが、あけましておめでとうございます。今年も楽しませていただいております。
次女さんのトロンボーンへののめりこみっぷりがますます素敵ですね☆うちのちびちゃんも何か楽器ができるようになるといいなぁ。
さて…吹奏楽に於けるトロンボーンの記譜法ですが、おそらく楽譜はinCでないかと思います。ヘ音記号の連中は皆そうだったと記憶してます。
逆に明らかに低音のバリトンサックス(Es管)ですがト音記号で書かれてて、実音は記譜音の長6度+オクターブ下みたいな感じのはずです。
トロンボーンは、たとえばFdur、ヘ音記号の一番上の線の更に上の空間に書かれた音、記譜音も実音もBを、おそらくB管の彼女らは"ド"と呼んで吹いている…はず…です。バステナーの子なんかは管体の調性をB管とF管とに器用に切り替えながらそれでも実音で書かれたヘ音記号をB管読みしていると思われます。もしかしたら組織によって違うかもですが(>_<)
いずれにしても、ヘ音記号inCの楽譜ならそのまま吹いてもピアノとの合奏は成り立つものと思います…もし上のような読み換えをする時にはpf奏者との会話はちぐはぐになりそうですが…
pf「そこのドの音ちょうだい」Tb「(?ド?どこのド?とりあえず吹いとくか)べーーーー」
pf「や、シのフラットじゃなくて、ド」
Tb「?」
みたいな。実音でお話すれば無問題ですが。
何か読み違えてて釈迦に説法的なコメントになってたらごめんなさい(T_T)
長文失礼しました。
今年もよろしくお願いします。
投稿: てぃんぱにゃー | 2010年1月15日 (金) 08時57分