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2010年2月 9日 (火)

多分偶然

ドヴォルザークは交響曲9曲を残した。弦楽四重奏曲は14曲だ。楽聖ベートーヴェンの土俵でも臆することはないようだ。ピアノソナタこそ無いものの、このほかの編成の室内楽も多いし、協奏曲も3曲ある。つまりこれはいわゆる「絶対音楽」の路線だ。

「絶対音楽」なんぞ私ごときに定義は出来ないが、器楽で物を言う際にソナタ形式を頻繁に用いる人々の音楽だと仮に考える。無論ブラームスもここに属する。器楽で物が言いたい作曲家にとってソナタ形式はとても便利なのだ。小品の三部形式がソナタ形式の輪郭をなぞっていることも少なくない。

オペラを11曲書いたり、交響詩にも複数の作品を残したとは言え、作品の出来映えをみるとドヴォルザークもここに帰属すると考えていい。美しい旋律が次々湧いて出るドヴォルザークは、ソナタの枠組みの中にそれらを収めるが故に客観性と普遍性を獲得したのではないか感じる。枠組みがないと単なるきれいな旋律の羅列に陥りかねない危うさがある。旋律的な魅力の大きさと表裏一体の関係だ。ブラームスは、そのバランスが少し旋律よりも構成感に寄っていることで均衡を保った。ドヴォルザーク自身それに気付いていたと思う。だからオペラ、交響詩に走ったスメタナとは別の道を行ったのだ。

そのドヴォルザークの作品一覧眺めていて驚いた。1895年に発表されたチェロ協奏曲、弦楽四重奏曲第13番、同14番を最後に、いわゆる「絶対音楽」を書いていないのだ。このあと9年の人生が残されていたが、オペラと交響詩中心の創作になる。

直感で申し訳ないが、ブラームスの死を境に絶対音楽から離れたように見えて仕方がない。残念なことにその後に生み出された作品はドヴォルザークの名声のさらなる向上には貢献していないようにも感じる。

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