アダージョ不在
一昨日の記事「ピアノ限定版ドボダス」でドヴォルザークのピアノ独奏曲に出現する音楽用語を列挙した。ブラームスとの比較は本当に興味深い。
お気づきの方も多いと思う。アルファベット順の羅列でありながら先頭が「Allegro」になっている。つまり「Adagioの不在」だ。ドヴォルザークはピアノ独奏曲で「アダージョ」(Adagio)を用いていない。それどころか「Adagio」含みの語句も無い。
新世界交響曲の冒頭や交響曲第8番の第2楽章にはちゃんと「アダージョ」が鎮座しているから「アダージョ」の完全忌避ではない。ピアノ独奏曲にだけアダージョが無いのは異様でさえある。遅いテンポのピアノ曲は存在するけれどもドヴォルザークは注意深く「アダージョ」を避けているように見える。
解釈はお手上げだが、ありがたみは極上だ。
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