所有か賃貸か
昨日の記事「別荘を持つ」では、ドヴォルザークが43歳の時、ヴィソカーに別荘を購入したと書いた。それ以降、夏には必ずヴィソカーで過ごすようになった。音楽家としての社会的な地位は上昇の一途をたどったが、米国スピルヴィルに滞在した1893年夏以外は全てヴィソカーに滞在したのだ。
ブラームスは気分で避暑地を変えるために、別荘の購入を控えたとも思えてくる。大枚はたいて買ってしまったら、毎年そこに行かざるを得なくなる。ドヴォルザーク以上の原稿料を稼ぐ上に、扶養家族もいないブラームスの懐は、ドヴォルザークよりずっと暖かかったに決まっているが、ブラームスは不動産の所有に踏み切っていない。
クララの夏の予定に合わせて、居場所を決めているうちに、時期を失したというのが真相かもしれない。
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