ドヴォルザークのメゾピアノ
ドヴォルザーク作品の楽譜に現れるトップ系音楽用語をエクセルに取り込む作業を続けてきた。どうせ楽譜をあたるのだからトップ系のみならずパート系にもそれとなく注目していた。ブラームスでは特異な分布を見せる「mp」だが、ドヴォルザークにおける分布も興味深い。ドヴォルザークの独奏ピアノ作品に現れる「mp」を以下に列挙する。
- ピアノ小品B109-3 71小節目
- ピアノ小品B109-3 129小節目
- ピアノ小品B116 41小節目
- 詩的音画より「農民たちのバラード」B161-5 冒頭
- 詩的音画より「フリアント」B161-7 61小節目
- 詩的音画より「妖精の踊り」B161-8 65小節目
- 詩的音画より「セレナーデ」B161-9 4小節目
- 組曲イ長調第1曲25小節目
- 組曲イ長調第4曲30小節目
- 8つのフモレスケより第1番 25小節目
- 8つのフモレスケより第5番 57小節目
- 8つのフモレスケより第5番 73小節目
たったの12箇所だ。上記の一覧は作曲年代順だ。先頭は1880年である。つまりドヴォルザークの独奏ピアノ曲に出現する「mp」は1880年以降に限られるということだ。ドヴォルザーク独奏ピアノ曲全集全2巻の第1巻には出てこない。第2巻の中盤以降にしか置かれていないのだ。
ブラームス作品における「mp」密集との関連を疑いたい。同時にドヴォルザークについて「mp1880年起源説」を、ひっそりと提案する。管弦楽室内楽を含む全作品を確認していないから、ゆめゆめ断言は禁物だがかなり不気味だ。
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