伝説曲
「ハンガリア舞曲」と「スラブ舞曲」の成功に味をしめたジムロックは、民族色豊かなピアノ連弾作品を宝の山と認識したようだ。ドヴォルザークに対してピアノ連弾作品の作曲を執拗に依頼するようになる。
その手の依頼に内心ストレスを感じながらも、作品の出来映えが素晴らしいことは、ドヴォルザークならではである。
1881年ジムロックから出版された「10の伝説曲集」op59(B117)もそうした連弾曲のひとつだ。本人による管弦楽編曲も遺っている。
よほどの自信作だ。名高い音楽批評家のハンスリックに献呈されている。さらにブラームスはジムロックに宛てて作品の出来を賞賛する手紙を書いた。
「これはきわめて魅力的な曲であり、その人物(ドヴォルザーク)の新鮮で生き生きとした豊かな創意を羨まずにはいられない」
現代の愛好家がドヴォルザークの作品と聞いていの一番に思い浮かべる作品ではない。それでもブラームスは、ジムロックから出版された楽譜を受け取ってドヴォルザークの才能を絶賛した。
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