野鳩
ドヴォルザークの交響詩のタイトルだ。1898年に初演されている。
チェコの詩人エルベンの詩集「花束」の中のバラードから着想されている。
夫を毒殺して、若い男と再婚しようとした夫人が、罪の意識から発狂して自殺に至るという筋立てだ。夫が埋葬された墓の上に大きな樫の木があって、そこに野鳩が棲みついた。その鳴き声が夫人を追い詰めてゆくというストーリーだ。野鳩とその鳴き声が物語のキーになっている。
演奏時間20分ほどにまとめられた佳品。
ヤナーチェク指揮で初演された他、マーラーも初演の翌年にウィーンフィルの演奏会で取り上げている。
一方、ドヴォルザークの趣味はハトの飼育だった。ヴィソカーに別荘を構えてから、そこでハトの飼育を始めたのだ。伝記には訪問先でハト料理が供され憤然として引き上げたエピソードが大抵書いてあるが、この趣味が鳩レースへの参加を意味するのかまでは言及されない。
愛鳥週間今日まで。
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