ズロニツェの鐘
数奇な運命を辿り、全くの偶然から再発見されたドヴォルザークの交響曲第1番ハ短調の通称だ。1865年の作曲にもかかわらず初演は1936年を待たねばならない。完成年で申せばブラームスの1番より早い。
ドヴォルザークもまたキャリア初の交響曲にハ短調を採用した。「ドヴォルザークもまた」と申し上げるには訳がある。当ブログの主役ブラームスと同じだからだ。
「ズロニツェの鐘」の楽章毎の調性を列挙する。
- 第1楽章 ハ短調
- 第2楽章 変イ長調
- 第3楽章 ハ短調
- 第4楽章 ハ長調
驚いたことにベートーヴェンの第5交響曲と完全に一致する。これを偶然と放置するにはこらえ性が足りていない。ベートーヴェンからの影響を嫌というほど喧伝されているブラームスの第1交響曲でさえ、これほどの一致は見せていない。それでももちろん「ズロニツェの鐘」が「ベートーヴェンの第10」だと評された形跡はない。
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