登場人物
昨日の記事「比較伝記学」で言及した手法を試してみた。ブラームスとドヴォルザークの伝記巻末の人名索引に登場する名前の比較だ。原則として作曲家に絞ったが、適宜作曲家以外も加えた。音楽之友社刊行の「作曲家◎人と作品」シリーズのブラームスとドヴォルザークの人名索引だ。赤数字がブラームスの伝記における言及回数で、青数字がドヴォルザークとする。たとえば1番のウェーバーは、ブラームスの伝記では2回言及があるのに対してドヴォルザークの伝記では言及が無いということだ。
- ウェーバー 2/0
- ヴェルディ 1/0
- ヴォルフ 1/2
- グリーグ 1/1
- サン・サーンス 2/0
- シェーンベルク 2/0
- シベリウス 0/2
- ジムロック 17/38
- シュトラウスⅡ 5/0
- シュトラウス,R 2/0
- シューベルト 17/9
- シューマン,ロベルト 62/4
- シューマン,クララ 52/0
- ショパン 4/4
- スメタナ 0/27
- チャイコフスキー 4/1
- ドヴォルザーク 5/-
- ハイドン 5/0
- バッハ,ヨハン・セバスチャン 25/3
- ハンスリック 19/5
- ブラームス -/33
- ブルックナー 2/0
- ベートーヴェン 46/12
- ヘンデル 8/0
- マーラー 2/1
- ムソルグスキー 0/4
- メンデルスゾーン 14/0
- モーツアルト 7/5
- ヤナーチェク 0/7
- ヨアヒム 48/5
- リスト 14/14
- ワーグナー 30/29
見ての通りだ。案の定興味深い。さらにこれをランキング化する。赤文字はブラームスで青文字がドヴォルザークだ。
- 第1位 ロベルト・シューマン/ジムロック
- 第2位 クララ・シューマン/ブラームス
- 第3位 ヨアヒム/ワーグナー
- 第4位 ベートーヴェン/スメタナ
- 第5位 ワーグナー/リスト
ブラームス側は穏当なところだ。ワーグナーがバッハを抑えて5位に食い込んでいるのが目立つ程度だ。ワーグナーが同時代を生きただけにむしろこれが自然だ。はるか昔のバッハが6位に入る方が異常だ。
ドヴォルザーク側の第1位がジムロックとは恐れ入った。ジムロック恐るべしだ。2位はブラームスが入る。スメタナが第4位というのが目立つ。両者ともランクインはワーグナーだけだ。ある意味でさすがである。
何だか奥が深そうだ。
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