小伝馬町
時代劇では牢獄の所在地として頻繁に耳にする。近所に大伝馬町もセットで存在する。徳川時代には世界屈指の大都市だった江戸の物資流通の拠点があったとされている。大伝馬町は江戸の外との物流拠点で、小伝馬町は江戸の中の物流拠点だという。陸上輸送の主役は馬だったことを伺わせる地名だ。地下鉄日比谷線の駅名になっている。
小伝馬町駅の近所にJR総武線の馬喰町駅がある。馬喰は牛馬を扱う商人のことだ。小伝馬町の至近に馬喰町があるというのは、何だか理にかなっている。
もちろん今では当時の面影などない。諦めきれずに歩いていると驚くべき地名がある。小伝馬町の交差点から馬喰町の交差点に歩く途中だ。交差点の信号の下に「鞍掛橋」と書いてある。この交差点付近には昔本当に橋があった。今は川が埋め立てられてしまって地名だけが残ったらしい。小伝馬町と馬喰町の中間に鞍掛橋とは妙に洒落ている。
2006年9月1日から始まった小伝馬町への勤務が本日をもって終わる。朝、鞍掛橋を通ることもない。
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