再びメゾピアノ
ドヴォルザークの歌曲「糸杉」の弦楽四重奏版スコアを格安で入手した話は既にした。CDを聴きながらスコアを眺めていて驚いた。「mp」がかなり目立つ。
ピアノ独奏曲における「mp」は1880年以降の作品にのみ現れた。本作は1887年だから、辻褄が合う。本作に出現する「mp」がオリジナルの歌曲「糸杉」に由来するものなのか、弦楽四重奏編曲の際に付与されたものなのか興味深い。私の仮説「mp1880年起源説」が正しければ、オリジナルの歌曲版「糸杉」には「mp」は存在しないハズだ。
弦楽四重奏版「糸杉」全12曲のうち1番、6番、8番が冒頭いきなりの「mp」だ。作品冒頭いきなりの「mp」はピアノ独奏曲では1889年詩的音画の第5曲「農民のバラード」だけに見られる。1888年の交響曲第8番の第2楽章も冒頭いきなりの「mp」だ。1895年チェロ協奏曲では第1楽章冒頭いきなり「mp」だ。
ブラームスにおける冒頭いきなりの「mp」はインテルメッツォイ短調op76-7が最初で1878年である。
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