アメリカ
ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番の通称だ。弦楽四重奏人気投票みたいなモンがあれば、上位進出の確率は非常に高いと思われる。1894年1月1日ボストンにて初演。ブログ「ブラームスの辞書」では元日はおバカなネタという流れが何となく決まっているのでなかなか言及しにくい。やむなく本日言及する。
アメリカ赴任後の作品で、アイオワ州スピルヴィルのチェコ人入植地での休暇中に、あっという間に作曲されたという。どんな解説を読んでもアメリカの要素てんこ盛りと説明されている。私もヴィオラ弾きの端くれとして、第1楽章冒頭の主題をいつも練習していた。ヴィオラ弾きドヴォルザークの本領発揮であることは間違いないのだが、さっそく行われた私的初演では、ドヴォルザーク自身が第一ヴァイオリンを弾いたというから、ヴァイオリンもかなりな腕前なのだと思う。
さて、音楽之友社刊行の「作曲家◎人と作品ドヴォルザーク」の138ページに興味深い記述がある。ドヴォルザークがジムロックに対して新世界交響曲の出版を依頼した記事が載っている。この校訂をブラームスが引き受けたとされているが、同時にアメリカ四重奏曲と変ホ長調の弦楽五重奏曲、さらに3つの演奏会用序曲の出版も依頼しているとある。ブラームスが校訂を引き受けたのは新世界交響曲だけではなく、それら全部とも読めるニュアンスである。
もし本当ならアメリカ四重奏曲もブラームスの校訂ということになる。ドキドキのネタだが、どちらともとれるような曖昧な記述は、出来れば避けて欲しい。
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