完成年月日
ドヴォルザークの作品は作曲の着手日と完成日が判明していることが多い。ドヴォルザークピアノ作品全集の楽譜を眺めていて、奇妙なことに気付いた。作品の最後、終止線の下に年月日とおぼしき数字が記入されている。名高い「ユーモレスク」op101-7で言えば「16.8.1894」となっている。どうもこれが1894年8月16日を現し、作品完成の日付のようだ。
全部の作品に記されているわけではない。我が家にある管弦楽や室内楽の楽譜には書かれていなかった。国内版やオイレンブルク版には書いていない。もちろんブラームスでもこういうことは起きていない。もしやと思って確認すると、先ごろ入手した「糸杉」の弦楽四重奏版や、「マリチコスチ」には書かれている。つまり書かれているのはスプラフォン版に限られているのだ。
おそらくこれは自筆譜の記載を正確に反映したものなのだと思われる。ドヴォルザークは自筆譜の最後に完成年月日を書き記していたのだ。そういえば一部の楽譜には完成の場所とおぼしき地名も併記されている。
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