ブラームス神社

  • 道中安全祈願

おみくじ

  • テンプレート改訂しました

独逸日記

  • ドイツ鉄道博物館のおみやげ
    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

ビアライゼ

  • Schlenkerla
    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

カテゴリー

« 特急の愛称 | トップページ | 完成年月日 »

2010年7月22日 (木)

左富士

旧東海道の名所。広重の東海道五十三次の吉原では、京都に上る旅人の進行方向左手に富士が描かれる。東海道を京に上る場合、霊峰富士の姿は旅人の右手にあるというのが常識だ。ところが、富士川の氾濫対策のため東海道の道筋が少々迂回させられたために、この近辺でのみ富士が左手に見えるというカラクリである。その珍しさにより名勝となってしまったということだ。

似た話は、東海道新幹線でも味わえる。新大阪から東京に向かうとしよう。静岡・安倍川鉄橋付近で、富士山が進行方向右側に見える。新幹線上りの乗客が富士山を堪能しようと思ったら、進行方向左が上席だ。座席番号で言えば「E」がベストだ。同じ窓側でも「A」になってしまうとガッカリである。ところが静岡・安倍川付近で思いがけなく富士山が拝めるのだから有り難みは大きい。

富士山そのものは微動だにしない。当たり前の話だ。街道や鉄路の微妙なコース取りで見え方が変わり、名勝になってしまうということだ。

一方私が幼い頃過ごした千葉から東京に向かうには、鉄道のルートが5つある。JR総武線、京成本線、東京メトロ東西線、JR総武快速線、JR京葉線だ。房総半島西岸を東京目指して走る場合、富士山は左手だ。ところが、東京湾の最深部船橋市付近を過ぎる頃、線路が大きく左にカーブすると、富士山が右手に見える。総武線では小岩駅付近、東京メトロ東西線では西船橋を出てすぐ、京葉線では二俣新町を出てすぐだ。その後しばらく富士が右手に見えるという訳だ。

富士をブラームス作品に置き換える。楽譜として残されたブラームスの作品は変わらない。それに対するアプローチが変わる。演奏や解釈が変わる、あるいは聴き手の感性が変わる。これにより作品の聞こえ方が変わるということだ。

ブログ「ブラームスの辞書」は、ブラームス作品への新たなアプローチのツールとして存在したいと願う。思いがけないところに「左富士」が見たいのだ。既に名高い「東海道の左富士」ではなく、「総武線の左富士」あたりが理想である。

« 特急の愛称 | トップページ | 完成年月日 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 左富士:

« 特急の愛称 | トップページ | 完成年月日 »

フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ