蘊蓄喫茶
喫茶店という言い方は今でもポピュラーなのだろうか。私の若い頃は頻繁に使われていたように思う。「サテン」と略することが多かった。女性との語らいではなくインベーダーゲームに夢中だった。
いわゆる喫茶店形態の飲食店は全国に何件あるのだろう。そのうち作曲家名を店名に据えたケースはどの程度を占めるのだろう。ブラームスという喫茶店を見たことはあるが、ランキングとしては高くない気がする。モーツアルトが一番で、バッハ、ショパンあたりがこれに次ぐようなイメージだ。
将来、会社を辞めた後、道楽で喫茶店の経営というのを夢見たことがある。どこにも行かずに一日中ブラームスを聴いていられるのが理想だ。実際の経営となるとこれがとても難しいとも聞く。まずは立地だ。よい立地なら賃借料は高額になる。初期投資もバカにならない。生活のためにとなるととても荷が重い。あくまでも道楽でなければならぬ。
けして狭くはないが極端に少ない座席数。ピアノがあるせいだ。しかも全席禁煙の上に携帯電話も使えない。立地はブラームス神社の大鳥居の脇だ。駐車場なんぞ備えていない。カウンターの中には「客を客とも思わないような仏頂面のマスター」(つまり私)が一人。週末になると娘等が手伝いに来る。メニューはといえばコーヒーがメイン。
<コーヒー>ブラームスの神社のお守りを提示すると割引がある。
- クララブレンド 350円オーソドックスなオリジナルブレンド。
- ロベルトブレンド 450円ストロングタイプ。ブラックがお好みの方へ。
- ヨハネスブレンド 500円ウインナコーヒー。
- ユーリエブレンド 500円カフェオレ。
- アガーテブレンド 500円アイスコーヒー。
- ヨアヒムブレンド 500円カプチーノ。
- ドヴォルザークブレンド 450円そりゃ当然アメリカン。
<スナック>
- レバ団子のスープ 500円
- レンズ豆のスープ 500円
<アイテム>
- 蘊蓄 0円
- スマイル 0円
- 「ブラームスの辞書」 4300円
壁にはズラリとCDと楽譜。もちろんほとんどブラームス。バッハがポツリポツリと見える。BGMはほぼブラームス。これまたバッハが時折だ。最近ドヴォルザークも混じると噂になっている。客の求めに応じることはほとんどない。ブラームスの作品を弾いた客あるいは歌った客には出来映えによっては全品無償サービス。カラオケもある。当然ブラームスの歌曲だ。
これが「蘊蓄喫茶ブラームス」のコンセプトである。
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<海鳥1960様
いらっしゃいませ。
リヒャルトブレンドは「煮え湯」にでもしますか。
この手のおバカネタの方がコメントが頂戴し易いというのが悩みのタネでございます。
投稿: アルトのパパ | 2010年7月 7日 (水) 21時08分
<てぃんぱにゃー様
おおお。熱いコメントありがとうございます。
ご来店をお待ちしています。
投稿: アルトのパパ | 2010年7月 7日 (水) 21時04分
薀蓄喫茶、いいですね。
その頃マスターは当然ヒゲを蓄えていて、カウンタには赤いハリネズミの縫ぐるみが鎮座して。
あと「リヒャルトブレンド」は? 200円のこぶ茶か、青汁とか? まあ、1000円のブルマンという線もありますが。
投稿: 海鳥1960 | 2010年7月 7日 (水) 13時19分
行きます。
ヴィオラソナタのクラリネットの方、死ぬほど練習しときますっ
投稿: てぃんぱにゃー | 2010年7月 7日 (水) 08時58分