ソナティーナ
ソナティーナト長調op100(B138)は、ヴァイオリンとピアノのためのささやかな二重奏曲だ。ドヴォルザーク渡米後の1893年に作曲された。
15歳になった三女オティーリエ、10歳になった次男アントニンのための作曲したという。ヴァイオリンの習得過程にある子供への暖かなまなざしに溢れた作品だが、古典的な形式は、かたくなに守られている。子供向けなのに、いや子供向けだからこそ、形式面で妥協せぬ律儀なドヴォルザークである。
ドヴォルザークもこの時期になると、その扱われ方はまさに巨匠だ。若い頃に見られた作品番号の錯乱は最早観察できない。作品番号と実際の作曲順が符合するようになる。そしてドヴォルザーク本人がop100を区切りと考え、何か相応しい作品をと欲して作ったのが「ソナティーナ」である。
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