カルマート
音楽用語「Calmato」と綴られて「平穏に」と解される。ブラームス作品には以下の通り4箇所で出現する。
- 弦楽六重奏曲第1番第1楽章273小節目 全弦楽器 p dolce calmato
- 3つの四重唱曲「op31」の3番42小節目 ピアノを含む全パート sempre piu calmato
- ティークのマゲローネのロマンスop33の14番46小節目 ピアノのみ calmato
- 3つの四重唱曲「op64」の1番29小節目 ピアノのみ p calmato
出現の絶対数が少ない上に、規則性が見当たらず難解という他はない。「tranquillo」との区別なんぞ、試験に出たらお手上げだ。曲想からして「p」側のニュアンスであることだけは確実だと思う。
さてさて、ここから無理矢理ドヴォルザークにこじつける屁理屈をお楽しみ頂きたい。
ドヴォルザークの伝記を読んでいて興味深い記述に出会った。
1892年秋にアメリカに渡ったドヴォルザークは、翌93年の夏、アイオワ州スピルヴィルに滞在する。家族揃って13時間の列車の旅だ。その列車を降りた駅が「カルマー」だったと書かれている。スペルは「Calmar」だ。本日のお題、音楽用語の「カルマート」と似ている。ニューヨークから比べると相当な田舎。文字通り静かな街だと想像する。一行の目的地スピルヴィルは、ここからさらに8km離れていたという。
1年続くドヴォルザーク特集屈指のおバカネタ。
<魔女見習い様
おお。欧米の言葉は根っこではきっと繋がっているのだと思います。
投稿: アルトのパパ | 2010年8月22日 (日) 10時49分
なるほど~。
英語のcalmにも通じるものがありますね!
マルカートと間違えそうになりました(汗)
投稿: 魔女見習い | 2010年8月22日 (日) 09時18分
<田中文人様
ありがとうございます。
投稿: アルトのパパ | 2010年8月21日 (土) 08時20分
面白いですよ(笑)。
投稿: 田中文人 | 2010年8月21日 (土) 06時50分