まさかの助言
ブラームスとドヴォルザークはヴァイオリン協奏曲をそれぞれ1曲ずつ残した。1878年に完成させたブラームスに2年遅れてドヴォルザークも発表にこぎつけた。ほぼ同時期の作品である。
そしてもう一つ両者に共通することがある。当時欧州楽壇に君臨していた大ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムが作品の成立に深く関与している。
ブラームスとヨアヒムのやりとりは有名だ。フィナーレのテンポについてのヨアヒムの助言が記録されている。当初「Allegro giocoso」としたブラームスに対しヨアヒムは「ma non troppo vivace」を加えないと難しいと主張した。だからブラームスのヴァイオリン協奏曲の第3楽章冒頭には「Allegro giocoso,ma non troppo vivace」と書かれている。
まさかと思うことがある。
ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲の第3楽章冒頭の指定は「Allegro giocoso,ma non troppo」となっている。ブラームスと似ている。
ヨアヒムの助言の賜物かもしれない。今日はヨアヒムの命日だ。
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