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2010年8月10日 (火)

ドルフ考

日本語の地名語源を考える際、アイヌ語というのは常に有力な選択肢である。これが北海道の地名に限られてもいないところが面白い。

ドイツ語ではラテン語だ。ブレスラウでおなじみ語尾の「au」については、8月7日の記事「水辺語尾」で言及したばかりだ。その周辺に面白い話がないかと探していてお宝情報に巡り会った。それが本日のお題「ドルフ」である。「dorf」と綴られるドイツ語は「村」の意味だ。シューマンの悲劇があったデュッセルドルフが有名だけれども、ドイツの地図を見ているといくらでも見つかる。

実はこの「dorf」の起源はさらに遡ることが出来るらしい。古代ゴート語だ。現代ではすっかり死語で、わずかに古文献にのみその痕跡が残る。それを操ったゴート人は、東ゲルマン民族に属する。ポーランド周辺から黒海沿岸に進出したらしいが、後にフン族に統合されてしまったともいう。ローマ人たちは彼等に手を焼いた。だから「ゴート人の」という言葉が「野蛮な」と同義になった。これが「ゴシック」の語源らしい。

どうやら古代ゴート語で「dorf」は「畑」を意味するというのだ。「おおお」ってなもんだ。狩猟採集の生活が、定住によって栽培の生活になるというのはいわゆる定石だ。狩猟をやめて定住すれば、喰うために畑を開くことは必定だ。日本ならば間違いなく田んぼだ。畑が村の語源とは、美しい整合性だと思う。問題があるとすればブラームスにこじつけられないことだ。

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コメント

<魔女見習い様

はい。このあたり一連のネタをブラームスにこじつけられれば、記事の数を相当稼ぐことが出来ます。

へぇへぇへぇ☆(ふるっ!)
「ドルフ」=「畑」もですが、「ゴート人の」=「野蛮な」⇒「ゴシック」とは面白いですね。
ここからさらに広がっていきそうです。(ブラームスには繋がりそうにありませんが・・・)

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