ドボコンの思い出
大学オケで私の一つ下の学年には上手い奴が多かった。
とりわけ某チェロ弾きは別格だった。彼とはなかなか縁が深い。学部学科が同じで私の次のオーケストラの団長でもあった。私が彼の結婚披露宴で司会をしたお返しに、私の結婚式の2次会のブラ4では、彼がチェロのトップを弾いた。快刀乱麻とノーブルが両立するチェロ弾きなのに、何故か某スナック菓子のキャラクター然とした風貌とのイメージのギャップも手伝ってか皆から愛されていた。
肝心なチェロがどれほどうまいかというと、大学4年の夏合宿で彼をソリストにしてドヴォルザークのチェロ協奏曲をやろうという話が出るほどだった。オケのメンバーには事前に楽譜が配られ、各自練習しておくようにと言われた。第一楽章だけとは言え、練習不足で青息吐息のオケをバックに、サクサクと弾きこなして見せた。もちろん私はバックでヴィオラを弾いた。ソロの邪魔をしないことだけを心がけていた。
当時私のニックネームは「あざらし」だった。だから彼にはその縮小形のニックネームが定着してしまった。私のことを「あざらし」と呼ぶ仲間は、今では誰もいないが、彼は今でもそのかわいらしい縮小形で呼ばれている。
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