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2010年8月 9日 (月)

リナルド

作品番号50を背負ったカンタータだ。テキストはゲーテだが原作はタッソーの「開放されたエルサレム」という。第一回十字軍を舞台にした恋愛叙事詩と呼ぶべき作品である。ヘンデルには同名のオペラがある。リュリやロッシーニも同じテキストに曲をつけている。リナルドはその主人公の名前だ。彼は十字軍の騎士である。

さてさて、1903年に完成し、作曲者の没する直前に初演されたドヴォルザーク最後のオペラは「アルミダ」という。実はこの作品の原作は「開放されたエルサレム」なのだ。脚本はヴルフリツキーという人。アルミダはヒロインの名前だ。つまりこの話はリナルドとアルミダの恋のお話である。

ドヴォルザークとブラームスは、ともにタッソー原作「開放されたエルサレム」という素材を目にした。それでもブラームスはオペラに走らなかった。ヘンデルを初めとする先輩の作品は当然知っていたから避けたのかもしれない。あるいは、ゲーテのテキストの特殊性をもってこの現象を説明出来るかもしれない。

ゲーテのテキストには恋人のアルミダは直接登場しない。リナルドとその他の登場人物の会話や筋立てによって、アルミダの存在が強く仄めかされているが、アルミダ自身は登場しないことがこのテキストの特色だ。ブラームスもそうした構成の特殊性を作品の編成に反映させている。つまりこのカンタータ「リナルド」は「独唱テノールと男声合唱」のための作品となっている。恋人アルミダが現われないことは明白だ。恋愛の当事者の片方つまりアルミダを登場させずに恋愛を描ききることがゲーテの狙いである。まさにブラームスはそこに共感したと思われる。女性の主役不在だ。なるほどオペラにしないのも道理である。

そしてドヴォルザークはこれをオペラに仕立てた。もちろん女性も登場する脚本だ。しかし、ドヴォルザーク作品の解説書を読んでも、傑作という扱いにはなっていない。

昨日の記事はドヴォルザーク最初のオペラを話題にした。今日は最後のオペラの話。

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