連れの性格
ブラームスの晩年の友人にヴィクトル・ミラー・ツー・アイヒホルツがいる。ウィーンの貴族の家柄で、音楽にも造詣が深かった。ウィーンブラームス協会の初代会長にもなった。
ブラームスはたびたび食事に呼ばれた他、独身で家庭を持たないブラームスに暖かな家庭的もてなしをして喜ばれた。
あるときブラームスは「ドヴォルザークを家に連れて行ってもいいか」と手紙で尋ねた。そりゃあそうだ。毎回暖かくもてなしてくれているからと言って、自分の友人を何の断りもなく、連れて行くのはエチケット違反だ。
「演奏会の後、ドヴォルザークの都合がついたら、お宅にご一緒したい」「料理は彼の分を自分が取り分けるから」と精一杯の心遣いをしている。ブラームスはドヴォルザークをミラーに紹介したいのだ。挙げ句の果てに「一人で一方的にまくしたてるような男ではないから」とまで付け加えている。ブラームスがドヴォルザークの才能ばかりではなく人柄にまで、惚れ込んでいる様子がよくわかる。良き妻に恵まれて子だくさんのドヴォルザークを暖かい家庭の雰囲気でもてなしたいと考えるのは、とても自然だと感じる。
この申し出に対するミラー家の反応が残っていないのが残念だ。ブラームスとドヴォルザークを接待出来るなら、大変な名誉だと思う。
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<田中文人様
はい。末代までの栄誉でございましょう。
投稿: アルトのパパ | 2010年8月19日 (木) 18時56分
確かに! この二人なら、名誉であり光栄な話です!
投稿: 田中文人 | 2010年8月19日 (木) 05時39分