壁ワイン
「Mauerwein」の訳語。エーバーバッハ修道院のシュタインベルクの畑は厚い土塀で囲まれていた。文字通り土で作られた塀だ。現地の土を利用するので、土壌同様ブドウの栽培に適した培地になる。シュタインベルクの四方を囲んだ土塀のうち南面する壁面にブドウを這わせるとどうなるか。平地よりも角度がついている分だけ高緯度地の直射日光を吸収しやすくなる。昼間熱を吸収し、夜間はゆっくりそれを放出するという条件がブドウの生育を助けた。無論原料ブドウの量は微々たるものだが、品質が高くなる。お察しのとおり、こうした壁に這わせたブドウから得られるワインが「Mauerwein」と呼び珍重された。
今メジャーリーグでは、プレーオフが始まっている。昨日ミネソタツインズは、ニューヨークヤンキースに敗れて、アメリカンリーグチャンピョンシップへの出場を逃がした。現在メジャーリーグ最高の捕手は、そのミネソタツインズの背番号7だ。野球で捕手のことをしばしば壁という。彼の名前はジョー・マウアーである。職業としては左官を意味するが、彼マウアーのポジションが捕手なのは何だか出来過ぎである。
ブラームスのお好み「シュタインベルクのカビネット」が「マウアーワイン」だったかどうかは不明である。
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