再びビルロート未亡人
1897年2月5日ブラームスの親友で医師のビルロート博士の未亡人が、ブラームスをもてなしたことがホイベルガーによって証言されている。そのとき「シュタインベルクのカビネット」が供されたとある。まさにそのことが発端となってワインネタがほとばしった。「芳醇なラインワインやシュタインベルクのカビネット」という表現が気になっていろいろ調べたら、これがお宝情報のヤマだった。
「ブラームスのお気に入りがシュタインベルクのカビネットだ」ということがキッカケで一連のワインネタが炸裂したのだから、どこかでこの画像を公開するのは必須だ。
- KLOSTER EBERBACH エーバーバッハ修道院を表す。シュタインベルクの畑の持ち主だ。
- Hessische Staatsweinguter ヘッセン州立醸造所
- 2008 2008年産
- STEINBERGER シュタインベルクの畑の
- RIESLING KABINETT リースリンク種のブドウで作ったカビネット
- RHEINGAU ラインガウ
まさにこれが現代の「シュタインベルクのカビネット」である。既に述べたようにブラームスの時代とはカビネットの意味が変わっている。当時のカビネットは「Cabinet」である上に、今よりもとっておき度が高かった。現在の序列で言うならアウスレーゼは最低ラインだろう。その上のベーレンアウスレーゼやトロッケンアウスレーゼともなると万札が複数形で必要になるから、Kabinettでちょうどいい。
シュタインベルクのカビネットは、ドイツ最高の地位をヨハニスベルガーと分け合う超エリートワインだったことが身に沁みた。あわせてビルロート未亡人のもてなしっぷりは見事というほかはない。
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