ゴールのマーク
ブログ「ブラームスの辞書」は、2033年5月7日ブラームス生誕200年まで、毎日更新を旗印に、日々記事を書きためている。2033は聖なる数字だ。本日のこの記事はブログ「ブラームスの辞書」開設以来2033本目の記事である。23年は人の一生を基準にすれば短くないが、地球の営みを基準にすればホンの一瞬だ。地質時代の区分は億年単位で刻まれる。小学校高学年から中学にかけて恐竜にはまったせいで、地質時代にも興味を持った。本日はそれを思い出しながらワインへのこじつけを試みる。
古生代の中ごろにデヴォン紀と呼ばれる時代がある。およそ4億年前から始まるこの時代の地層がライン西部の基礎的な土壌を形成している。一方ライン東部のフランケン地方は別の地層だ。三畳紀と呼ばれる地層で中生代の初期に当たるから少々新しい。両者のワインの味の違いをこのあたりから説き起こそうという試みはけして珍しくない。その三畳紀の後が恐竜で有名なジュラ紀だ。当時のドイツには始祖鳥もいたハズだ。パンゲアという巨大大陸の上である。
やがて6500万年前に新生代が始まる。始まってすぐおよそ6000万年前にブドウの直接の先祖が現われる。この第3紀を象徴するのが造山運動でアルプスが形成された。この時の地殻変動が原因でデヴォン紀や三畳紀の地層が表土に押し出されたという。パンゲア大陸が分裂して移動を始めるのもこのころで、ユーラシア大陸とアメリカ大陸にブドウの先祖ごと分かれることになった。アメリカにしかいないブドウの害虫フィロキセラはこのころ以降の発生かもしれない。
人類の登場はこのあと第4紀を待たねばならない。氷河期があってその時代に氷河が運んだ土砂が黄土として地表に残された。一般に肥沃と呼ばれる土地には、この土壌が多いのだが、あまり多いとリースリンクの足を引っ張りかねない土壌だ。
最後の氷河期が1万年前に終わる頃には人類は既にブドウを食していたと考えられている。ブドウ果汁が絞られていた証拠およそ8000年前の果汁絞り器や、6000年前の容器が出土している。ほぼワインの発明と認めてよいとされている。黒海とカスピ海に挟まれた地域での出来事だ。同時にワインに適したブドウの選別も始まっている。製造や貯蔵の技術はその後ローマ時代に完成の域に達したと考えてよい。ワインの製造については「イタリア人が最近2000年でなした実績より、ローマ人が200年で編み出したことのほうが重要だ」などといわれるほどだ。
ブラームスの登場にはさらに1600年程度の時間がいる。
<てぃんぱにゃー様
ブドウの起源は書物によって割とバラツキがありますので目安程度です。
キリスト教とワインの関係は濃密です。興味深い話が多いのですが、ブラームスとこじつけにくいのが難点です。
投稿: アルトのパパ | 2010年11月 6日 (土) 10時24分
ブドウって新しい生き物だったんですねぇ。
果物、自体が新しい連中なんですかね??
デヴォン紀…といえば魚の時代、そして話題はワイン。
魚とワイン…キリスト教を想起させられるテキストでしたm(_ _)m
投稿: てぃんぱにゃー | 2010年11月 6日 (土) 06時46分