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2010年11月21日 (日)

史書というもの

史書つまり歴史を綴った書物、とりわけ正史といわれる王朝公式の歴史書は、1つの王朝が終わった後になって、後を継いだ王朝の手で描かれるのが恒例だった。中国歴代王朝の歴史書は、みなそうだ。日本もこれに倣っている。中国4000年の歴史はこうして後世に綿々と伝えられているのだ。

実は為政者たちにとっては死活問題でもあった。そもそも王朝の平和的交代は「禅譲」と呼ばれて理想とされてはいるものの、そうたびたび起きるものではない。王朝の交代には大抵簒奪や革命がついてまわる。現王朝に歯向かってことが成就しなければ反乱軍というレッテルが貼られてしまうのだ。たまたま上手くいったにしても、決起当初は謀反または反乱だ。

王朝の交代が達成された後、為政者がまず民衆にするのが、自らの王朝の正当性のアピールだ。前王朝との交代がいかに正当かを示す必要があるというわけだ。そういう意味で前王朝の正史を編纂出来るのはまことに好都合だ。嘘はいかんが、誇張と省略を駆使して、せっせと大義名分を後付けするということも自在だ。

ドヴォルザーク特集明けのインターヴァル後、新たな試みとしてトリプルアラビアンナイトまで、途切れることなく企画を放つと宣言した。読者にはいつ企画が代わったか判りにくいという事態も予想されるので、企画の継ぎ目に総集編記事を挿入することにした。前企画の流れを総括する意味だ。企画の切れ目が血なまぐさいということはあり得ぬが、メリハリは必要と感じる。

18日の記事がその第一弾で、「ワイン特集総集編」だった。

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