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2010年12月 7日 (火)

初演の指揮者

ブラームスはその経歴の初期おいて合唱指揮者として台頭した。だから創作の初期に成立した合唱曲は、ほぼ自ら初演を指揮をしていると見て間違いない。

問題は管弦楽曲だ。純粋な管弦楽曲の他、合唱への管弦楽伴奏の作品も含めて、その初演における指揮者をリストアップした。

  1. 管弦楽のためのセレナーデ第1番op11 ヨアヒム
  2. 埋葬歌op13 ブラームス
  3. ピアノ協奏曲第1番op15 ヨアヒム
  4. 管弦楽のためのセレナーデ第2番op16 ブラームス
  5. ドイツレクイエムop45 ブラームス
  6. カンタータ「リナルド」op50 ブラームス
  7. アルトラプソディop53 エルンスト・ナウマン
  8. 運命の歌op54 ブラームス
  9. 勝利の歌op55 ブラームス
  10. ハイドンの主題による変奏曲op56a ブラームス
  11. 交響曲第1番op68 オットー・デッゾフ
  12. 交響曲第2番op73 ハンス・リヒター
  13. ヴァイオリン協奏曲op77 ブラームス
  14. 大学祝典序曲op80 ブラームス
  15. 悲劇的序曲op81 ハンス・リヒター
  16. ネーニエop82 ブラームス
  17. ピアノ協奏曲第2番op83 アレクサンダー・エルケル
  18. 運命の女神の歌op89 ブラームス
  19. 交響曲第3番op90 ハンス・リヒター
  20. 交響曲第4番op98 ブラームス
  21. ヴァイオリンとチェロのための協奏曲op102 ブラームス

案の定興味深い。全21曲のうち本人の指揮は13曲だ。60%強はかなりの高率と思う。ブラームス本人を除いて一人で2回以上はハンス・リヒターとヨアヒムだけだ。意外なことにハンスフォン・ビューローは初演を振っていないが、ピアノ協奏曲第2番を携えた演奏旅行では、ブラームスとビューローが指揮と独奏を交互にこなしたという逸話もある。

ピアノ協奏曲の初演では1番2番どちらもブラームス本人が独奏を担当したから、1番では指揮ヨアヒム、独奏ブラームスという黄金ペアになった。ところが後のヴァイオリン協奏曲では、指揮ブラームスの独奏ヨアヒムが実現した。

交響曲の初演で自らタクトを取ったのは、4番だけというのが不思議だ。一方合唱曲はアルトラプソディ以外はブラームスになっているから合唱曲得意もうなずける。

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