ブラームスの助言
Rシュトラウスは、ハンス・フォン・ビューローの弟子だったから、ブラームスと面識を持っていた。Rシュトラウスのへ短調交響曲の感想とアドヴァイスがブラームスの口から発せられている。
音楽之友社刊行の「作曲家◎人と作品シリーズ」ブラームスの166ページに詳しく書かれいる。
ブラームスがマイニンゲン滞在中にヘ短調交響曲を聴いたとされている。Rシュトラウスは手記「ハンス・フォン・ビューローの思い出」の中でそのことに言及する。ブラームスは「なかなか良い」という感想の後に「シューベルトを研究して8小節単位の旋律を書く練習をしろ」と助言したという。「旋律の戯れが多過ぎる」とも指摘されている。
この一連のやりとりをもって、著者西原稔先生は、ブラームスとRシュトラウスの作風の違いを強調しておられる。
「ピアノ演奏の歴史」という本の中98ページにもこの出来事が言及されている。一連の助言について述べたRシュトラウスは、最後に「私は助言に従った」と付言している。Rシュトラウスの作品は、ブラームスの助言に従った延長線上にあるということとも受け取れる。
音楽史を飾る2人の作曲家のキャラがシューベルトを題材に浮き彫りになっているエピソードだが、取り扱いには注意が必要だ。ブラームスの真意はなお、明らかとは言い難い。
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