たった一度の初演
ブラームス作品の初演を一度でもしたことのある都市は35都市に及ぶ。208回のウィーン、63回のハンブルク、35回のベルリンがトップ3であることは既に述べた。本日はその逆、初演をたった一度だけ行った街の話だ。
- 1853年10月28日 デュッセルドルフ 「FAEソナタ」WoO2
- 1855年11月27日 ニューヨーク ピアノ三重奏曲第1番初版op8
- 1865年07月02日 ケムニッツ 「宗教的な歌曲」op30
- 1866年10月11日 ボストン 「弦楽六重奏曲第2番」op36
- 1868年04月10日 ブレーメン 「ドイツレクイエム」op45
- 1870年11月10日 イエーナ 「アルトラプソディー」op53
- 1875年夏 ツィーゲルハウゼン 「夕立」op70-4
- 1881年12月14日 ストラスブール 「エーオルスのハープに寄せて」op19-5
- 1886年10月30日 ヘルマンシュタット「別れに臨んで」op95-3
- 1895年02月21日 メルセブルク 二重唱op61-2
なかなか味わいが深い。ブレーメンは名高い「ドイツレクイエム」の初演がただ一回の栄誉だったとは思わなかった。ニューヨークやボストンはともかくブレーメンがこれだけとは意外だ。FAEソナタは単にシューマン邸宅で、ヨアヒムを囲んでワイワイやっただけという気もする。身内の盛り上がりを初演に入れて良いのか気が引ける。
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