暗い泉
1886年1月17日。交響曲第4番のウィーン初演があった日だ。ハンス・リヒター指揮によるウィーンフィルの演奏だった。
ブラームスの盟友にして、音楽批評界の大物エドゥワルド・ハンスリックの演奏評が残されている。彼は交響曲第4番の終楽章を「暗い泉」と評した。作品全体の印象として、ただちに魅力の全貌を把握することが難しいと一般受けを心配している。
「ブラームスの第4交響曲のフィナーレとかけて、暗い泉と解く」
「その心は」と問われて、「深く見入れば見入るほど、星の光が明るく、輝き映える」と答えた。さすがである。ブラームス本人は恥ずかしがるだろうが、作品は雄弁で、バッハに着想を得たこの終楽章は知れば知るほどはまり込む。
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コメント
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<田中文人様
でしょでしょ。
投稿: アルトのパパ | 2011年1月17日 (月) 18時43分
素晴らしい!
投稿: 田中文人 | 2011年1月17日 (月) 18時26分