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2011年1月13日 (木)

やっぱりジムロック

ブラームスの大規模管弦楽作品の楽譜が、初演の翌シーズン前まで発売されないと書いた。それがジムロックのマーケティングの賜物ではないかと推定した。

さらに追加がある。

ブラームスの大規模管弦楽曲には本人の編曲によるピアノ連弾版がある。そのピアノ連弾版の発売時期を調べてみた。

  1. 交響曲第1番 総譜・パート譜と同時
  2. 交響曲第2番 総譜・パート譜と同時 
  3. ヴァイオリン協奏曲 総譜・パート譜と同時
  4. ピアノ協奏曲第2番 ピアノ連弾版が半年先行 
  5. 交響曲第3番 ピアノ連弾版が1ヶ月先行
  6. 交響曲第4番 2台のピアノ版が5ヶ月先行
  7. ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 本人編曲なし

ヴァイオリン協奏曲までは同時発売だったが、ピアノ協奏曲第2番以降、ピアノ編曲版の方が少し先行するようになる。

どうしたことか。

おそらくピアノ版が少し先行した方が売上が増えるのだと思う。初シーズンの出版を凍結させたことで、市場に楽譜待望の空気を充満させている。総譜、パート譜、ピアノ版を同時に出せば、各々が必要な楽譜を買うだけだ。ところが簡易バージョンたるピアノ版を先行して出版することによって、ピアノ版を欲しい人はもちろん、総譜やパート譜が欲しい人にまで買わせることが可能だ。ピアノ版をわずかに先行させることで両方買ってもらえるという寸法だ。

つくづく商売上手だ。

  

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