衰えの兆候
昨日の記事「ジムロックの会計年度」に掲載した表を見て欲しい。
1890年~91年にかけての年度に刊行された新作は弦楽五重奏曲第2番ただ1曲だ。ブラームスの伝記を紐とけば、この作品を作曲した後、ブラームスが創作力の減退を感じたということが書かれている。後世の愛好家の立場で申せば、この五重奏曲の出来栄えは素晴らしいが、この年度はこの曲しか出版に回せなかったのだ。
その後一連のクラリネット入りの作品を出してスランプ脱出とされていることも多い。アウトプットの量という意味で申せば、89年~90年のシーズンのみ目立つが、その後はさほどでもない気がする。
そしてそのことは、ブラームス自身よりも出版人ジムロックが、認識していたと考えてよい。
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