ある疑問
ジムロックが当時絶版になっていた3曲のピアノソナタを新たに刊行するためにブライトコップフ社から版権を買い取ったらしい。音楽之友社刊行の「ブラームスのピアノ音楽」には、「op1、op2、op5について初版の出版人であるブライトコップフから版権を買い取った」と明記されている。
おかしい。
マッコークルによればピアノソナタ3曲のうちブライトコップフ社から初版が刊行されているのは1番と2番だけで、3番はゼンフ社から出されている。「3つともブライトコップフ」ではない。
2月15日の記事「版権買取の範囲」でブライトコップフ以外に初版を刊行した出版社には版権の買取を仕掛けなかったのかと疑問を提示した。ゼンフ社もそのうちのひとつだ。もしかするとゼンフ社は同じライプチヒのブライトコップフに何らかの形でピアノソナタ第3番の版権を譲渡したのではないかと感じる。
1888年ジムロックがブライトコップフから版権を買い取った時点で、ピアノソナタ第3番の版権がブライトコップフに移っていた可能性がある。
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