本社移転
会社の本社機能が別の場所に移転することだ。
ブラームスの友人にして財産管理人のフリッツ・ジムロックは、楽譜出版業、ジムロック社の経営者だった。ブラームスの伝記には「ベルリンのジムロック社」として登場する。このことは同社の本社がベルリンに置かれていたことを物語る。
ロベルト・シューマンの交響曲第3番「ライン」の出版もジムロック社とされているが、こちらには「ボンのジムロック社」と書かれている。
元々ジムロック社はフリッツの祖父ニコラウスが1790年に起こした会社である。創業の地がボンだったかどうか確認出来ていないが、ボンに本社が存在した時代があったことは確実だ。フリッツ・ジムロックは1837年ボンの生まれだ。このとき経営者ジムロックの一家がボン在住だったと推定出来る。本社がボンにあったと考えられる。
ジムロック社から出版されたブラームス作品の最古のものは、「管弦楽のためのセレナーデ第2番」op16だ。1860年11月のことだ。このときはまだ「ボンのジムロック社」になっている。ボン時代のジムロックの手によって世に出たのはop40のホルン三重奏曲が最後で1866年11月となっている。1868年12月の「4つの歌曲」op46では「ベルリンのジムロック社」に変わっている。
1866年12月から1868年11月までの間に本社移転があったと推定できる。
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