絶版譜の復刻
ジムロックがブライトコップフ社から初期ブラームス作品の版権を買い取ったことは2月14日の記事「版権」の中で話題にした。音楽之友社刊行の「ブラームスのピアノ音楽」(デトレフ・クラウス著)の9ページにもこのことが載っていた。
驚くべきことは版権を買い取ったジムロックの目的である。当時絶版となっていたピアノソナタ全3曲の復刻が狙いだったらしい。ブライトコップフ社が、版権を持ったまま増刷をしないと絶版状態になる。版権を買い取って新規に出版しなおすことがジムロックの狙いだった。
ブライトコップフ社はアガーテ六重奏曲の一件以来ブラームスとは絶縁状態にあったからピアノソナタの絶版状態を放置していたものと思われる。
こういうエピソードを知るにつけジムロックの才覚に感心させられる。単なる商才だけでは片付けられないものを感じる。
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